新・タイ佛教修学記

修行か?それとも苦行か?

2020年9月17日

 

タイの森の修行寺での瞑想修行は、全てが自分次第です。

 

「こういう結果でした」「このような状況です」と、先生に報告をすれば、先生はただ「うむ、なるほど」「ああ、そうですか」などと、返事をされるだけです。

 

たとえ、先生の指導を成し遂げることができなかったとしても、先生は何も言いません。

 

言われたことができなかったからと言って、突き返されることはありませんし、破門されることもありません。

 

怒られることもなければ、咎められることもありません。

 

 

なぜなら、修行というものは、自分自身の問題であって、個人の問題だからです。

 

 

さて、私は、かなり厳しいといいますか、激しいといいますか、少し極端な修行も実践してきました。

 

例えば、寝ずに瞑想する修行や断食をしながら瞑想する修行などです。

 

 

結論から言うと、当時の私にとっては、全く意味を感じるものではありませんでした。

 

規則正しい生活を送りながら、地道にコツコツと瞑想を実践していくという、ごく普通の実践方法のほうが私に適しているという結論に至ったのです。

 

 

規則正しい生活・・・すなわち、適度に睡眠をとって、適量の食べ物を食して、しっかりと時間を決めて毎日規則正しく瞑想を実践していく。

 

そのような、ごくタンダードなタイの森のお寺の瞑想生活へと切り替えました。

 

いや・・・切り替えたのではなくて、元のスタイルへと戻したのです。

 

 

タイの瞑想修行には、一定の課程やコース、決まった時間割などは一切ありません。

 

先生の方から何かを示してくれることもありません。

 

自分の側から求めていかなければならないのです。

 

全て自分自身に委ねられているのであって、全て自身の求めに応じた道を選びとって、一人で歩んでいかなければならないのです。

 

 

私の方から、この先、どのように進んでいくべきかを先生に問い、教えを請うていかなければなりません。

 

先生の方から答えを与えてくれるものではありませんし、道を示してくれるものではないからです。

 

 

ただし、疑問に感じたことや自分では答えを出すことができなかったようなことがらは、自ら進んで先生のところへ申し出れば、丁寧に道を示していただけます。

 

積極的に自分から、先生に質問して、確認して、相談をしながら解決を図っていくということです。

 

つまり、自分から積極的に解決方法を模索していかなければならないのです。

 

 

とても自由である反面、大変厳しいと言えます。

 

 

寝ずに瞑想する修行や断食をしながら瞑想する修行を実践したとしても、結局のところは、何ひとつ変わりませんでしたし、何ひとつわかりませんでした。

 

しかし、何もわからなかったということこそが、実践したからこそ言える「学び」であったのかもしれません。

 

 

では、なぜ、このような水泡に帰してしまうような修行を実践しようとしたのでしょうか?

 

それは、私の中に修行への“憧れ”のようなものがあったからなのだと思っています。

 

 

厳しくて、激しい修行を実践すれば、きっと何かが得られるに違いない・・・。

 

私を苦しめる煩悩をいくつか消し去ることができるかもしれない・・・。

 

 

そのような淡い期待を抱いていたのです。

 

何かになろうとすること自体が誤りであるということに気ずかずに。

 

 

また、私としては、実践しないと気が済まない、納得できないという思いもありました。

 

実践したら、ステージが上がったり、煩悩が無くなるかもしれないと思うと、やはり実践せずにはいられないでしょう。

 

 

そのような思いを即座に察知してか、先生は、「ぜひやってみなさい」と言われました。

 

もっとも、先生は、余程意味のない実践や余程危険なものでない限り、本人がやってみたいという申し出を断ることはしませんが・・・。

 

だから、私は、寝ずに瞑想する修行や断食をしながら瞑想する修行に挑んだのです。

 

結果は、何も得られませんでした。

 

そのようなことをしても、何も得られないということだけを得ることができただけでした。

 

 

もしかしたら、先生は、そのことがわかっていて、敢えて私に実践をさせたのかもしれません。

 

そうでないと、私が納得しないから。

 

そうでないと、私の修行が進まないから。

 

 

それが先生の見守る指導であったのかもしれません。

 

 

私は、実践せずにはいられなかったのですから。

 

私は、修行によって何かになろうとしていたのですから。

 

 

そんな心をこれでもかと打ち砕いてくださったのです。

 

 

(『修行か?それとも苦行か?』) 

 

 

 

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