新・タイ佛教修学記

縮み膨らみの瞑想(マハーシ式の瞑想)

2020年4月4日

 

タイで「ユプノー・ポーンノー(縮み・膨らみ)」と呼ばれている瞑想法は、ビルマ(ミャンマー)の著名な瞑想指導者・マハーシ長老の瞑想法がタイへと伝えられたもので、現在、タイにおいて最も広く実践されている瞑想法です。

 

一般的にタイでは「ユプノー・ポーンノー(縮み・膨らみ)」、あるいは単に「ユプノー」と通称されています。

 

また、マハーチュラロンコン仏教大学の仏教の学修課程にも採用されている瞑想法です。

 

 

日本において上座仏教の瞑想法として、いわゆる「ヴィパッサナー瞑想」という呼び方で紹介されている瞑想法がこの瞑想法です。

 

※本来は、この瞑想法のみを指して「ヴィパッサナー瞑想」と呼ぶのは誤りです。

 

ご存知の通り、日本では上座仏教の瞑想法の代名詞ともなっている瞑想法で、これに関する書籍はすでに多数出版されています。

 

また、本家であるビルマ(ミャンマー)をはじめとして、タイ以外の上座仏教圏の国々でも広く実践されています。

 

さらには、欧米などの海外でも広く仏教の瞑想法として知られている瞑想法です。

 

 

さて、この瞑想法は、呼吸の出入りを受けて「縮み」と「膨らみ」が現われる部分=腹部がその集中の対象となります。

 

アーナパーナサティとの大きな違いは、呼吸が出入りする時の感覚や上唇に息が当たる感覚などに意識を集中させるのではなく、腹部の動きへと注意を向けていくことから始まるという点と、サティの際に“言葉”を用いる点です。

 

“言葉”を用いる点、いわゆる「ラベリング」です。

 

このラベリングを行うことが最も大きな特長となります。

 

 

呼吸することで空気が入り、お腹が膨れてゆく時、「膨らみ」あるいは「膨らんでいる」という“言葉”を入れてサティを行います。

 

お腹の内部が外側に向けて膨れていく動きをしっかりと捉えていきます。

 

 

空気が出て、お腹がへこんでゆく時、「縮み」あるいは「縮んでいる」という“言葉”を入れてサティを行います。

 

お腹の内部が内側に向けて縮んでいく動きをしっかりと捉えていきます。

 

 

立っている時、座っている時、何かに触れている時などの感覚も同じようにしてサティをしていきます。

 

また、同じようにして、心の状態(心の動き)も、ひとつひとつ言葉を用いてサティをしながら、しっかりと捉えていきます。

 

例えば、考えている、妄想、うれしい感情、悲しい感情、怒り、喜び・・・など、細かな心の状態までしっかりとサティをしていきます。

 

「今」「ここ」に気づくこと(サティ)は、事象の生滅変化を観察していくことへとつながり、さらにものごとの真実の姿を「あるがままに知る」ことによる心の平穏へとつながっていきます。

 

 

ある対象へサティをしている時は、まるで「演劇」を見ている時と同じように心がける、つまり「ただただ観るだけのもの」となって、自己の考えや想いをいれずに、他のさまざまな想いを解き放つようにせよ、と指導されます。

 

自分の想い通りにしようということから離れれば、真実はおのずと見えてきます。

 

「今を気づく心」・・・それがどのようなことであるかを具体的に知る実践こそが「ヴィパッサナー」の実践であり、仏教の瞑想実践なのです。

 

 

この瞑想法に関しては、さまざまな翻訳本や体験を綴ったもの、瞑想指導書やガイドブックなど、実に多くの書籍が出版されていて、かなり細かな瞑想の技法に至るまで日本語で知ることができます。

 

敢えてここで説明を加える必要はないかと思います。

 

入門書から上級者向けの書籍まで豊富にありますので、詳しくは書籍を参照されることをおすすめいたします。

 

 

(『縮み膨らみの瞑想(マハーシ式の瞑想)』)

 

 

 

タイで“瞑想”修行

日本で“迷走”修行

 

タイの森のお寺で3年間出家

 

“瞑想”修行と“迷走”修行を経て

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