新・タイ佛教修学記

スアンモーク(スアン・モッカバラーラーマ僧院)

2020年4月1日

 

スアン・モッカバラーラーマ僧院、一般に「スアンモーク」と呼ばれています。

 

 

ここは、プッタタート師(英語:ブッダダーサ)によって創建された修行場です。

 

プッタタート師は、タイではその名を知らない人はいない程、非常に有名な比丘です。

 

当然のことながら、プッタタート師が創建した修行場である「スアンモーク」の名も広く知られています。

 

数あるタイの修行寺や森のお寺の中でも、最も有名な修行場のひとつとなっています。

 

 

私は、かねてよりタイへ来たのなら、一度はこのお寺で修行をしてみたいと考えていました。

 

 

タイ国内からも出家、在家を問わず、毎日多くの人が訪れます。

 

また、海外からの修行希望者も広く受け入れていて、スアンモークにほど近いところには、外国人専用の修行場が併設されています。

 

そのままスアンモークに留まって、長期間修行生活を送る者も多数います。

 

 

出家者向けには、特に毎月1日から14日間の修行コースが組まれていて、集中的な修行をすることができます。

 

タイ全土から、この修行コースに参加する者が多数いて、一時出家の最後をスアンモークで過ごし、この修行コースの参加でもってその締めくくりとする者もいます。

 

 

この14日間の修行コースの参加者は、期間中は一切の私語が厳禁されていて、食事、掃除、水浴び・・・全ての時間において、誰とも話すことができません。

 

また、筆記用具や認められているごく少数の物品を除いて、一切の物品の持ち込みが厳禁されています。

 

もちろん書籍も禁止です。

 

 

私も、スアンモークに来て一番最初に持ち物にチェックを入れられました。

 

その時に、ある一冊の書籍を指摘されました。

 

それは、日本語で書かれたプッタタート師の著書で、瞑想実践に関する書籍でした。

 

1ページ目に飾られているプッタタート師の写真を見せて、プッタタート師の著書であり、瞑想実践のための書籍であることを説明して、これだけは持ち込みを許可していただきました。

 

 

2週間のあいだ誰とも全く話さず、パソコンやテレビ、本や携帯電話なども全くないという生活を送ったことのある方は、はたしてどれだけいるでしょうか・・・?

 

現代人にとっては、それだけでもとても貴重な生活です。

 

 

さて、お寺での日課はどのようなものでしょうか。

 

 

朝4時の起床に始まって、瞑想、勤行、そしてまた瞑想です。

 

朝8時に朝食をとります。

 

スアンモークでは、食事は、朝8時の朝食一食のみとなります。

 

その後、朝食後とお昼に休憩が入る以外は、夕方4時の掃除まで、それぞれひたすら瞑想に励みます。

 

掃除を終えると、水浴びの時間を経て、夜の勤行です。

 

そして、また瞑想、各自就寝となります。

 

 

この生活が14日間続きます。

 

 

非常に質素な生活です。

 

14日間の修行コースの期間が終了してからも、そのままお寺に留まることもできます。

 

私は、コース終了後、滞在期間を延長させていただき、さらに数日、スアンモークで過ごしました。

 

コース終了後のお寺での日課もおおよそ、上記の通りで大きくは変わりません。

 

自分の納得のいくまで瞑想修行を続けることができるのです。

 

 

 

スアンモークでの瞑想法は、呼吸の出入りを観察する瞑想法であるアーナパーナサティが推奨されています。

 

プッタタート師のアーナパーナサティに関する著書は特に有名です。

 

私は、なかなか意識を呼吸に集中させることができず、瞑想をしたと言うにはほど遠い状態でしかありませんでした。

 

しかし、ここでの経験がアーナパーナサティの素晴らしさを認識するきっかけのひとつとなりました。

 

 

このような環境のなかで瞑想に打ち込み、修行に励むことができたことは、非常に有意義でした。

 

今も深く印象に残っています。

 

もっともっとお寺に留まって修行に打ち込みたい・・・そのように思わせる環境でした。

 

 

文字では表現しずらいのですが、私はこれこそ原始の仏教の姿を感じ取ることのできるスタイルだと感じました。

 

 

朝夕の勤行は外で行います。

 

仏像もない。

 

建物もない。

 

ただの広場に比丘たちだけが集まり、座して行います。

 

食事も外です。

 

朝のまだやわらかな日差しを浴びながら、自分の鉢に向かって食事をとります。

 

もちろん瞑想も外です。

 

瞑想をする場所は、一応は、集団生活なので、中央にある広場で行うことにはなっています。

 

しかし、特に決められているわけではなく、適当にそれぞれが好きな場所を選びます。

 

瞑想しやすい木の影や各自自由に涼しい場所を選んで、そこに座して瞑想を行います。

 

 

他のタイの森林僧院もとても質素な生活です。

 

そして、素晴らしい環境です。

 

しかし、すべてを外で行うというのは、私が体験した中ではスアンモークだけでした。

 

ブッダに憧れてタイへ来た私にとっては、それはそれは、とても心を打つ体験でした。

 

 

ブッダの時代にはこうした出家生活を送り、ただひたすら瞑想に励んだのでしょうか。

 

まるで古い経典に出てきそうなブッダの時代を想わせる生活だと思いました。

 

 

あたかもどこからかブッダの声が聞こえてきそうでした。

 

 

比丘たちよ・・・

 

 

(『スアンモーク(スアン・モッカバラーラーマ僧院)』)

※この記事のアイキャッチ画像は、プッタタート師の写真です。

 

 

 

タイで“瞑想”修行

日本で“迷走”修行

 

タイの森のお寺で3年間出家

 

“瞑想”修行と“迷走”修行を経て

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