瞑想の実践を続けていると、本当にいろいろな学びが得られます。
その大きな学びのひとつが、全ては私の妄想であり、想像の世界であるということです。
今、見ている世界は、自分の思い込みの世界であり、私が勝手に意味付けをした世界に過ぎないことです。
自身の思考や感情を観察していくと、ひと時も留まることなく、常に移り変わっていることに気がつくはずです。
そのまま放っておくと、次から次へと思考や感情が止め処なく湧き上がってきます。
次から次へと芋づる式に、まるで連想ゲームをしているかのように、関連づけられたことがらが頭の中を駆け巡っています。
そのような思考を通して見ているのが私たちの姿です。
瞑想の実践では、こうした思考や感情をそのまま放っておいてはいけません。
その都度、瞬間的かつ連続的にサティをして、関連付けを断ち切っていきます。
すなわち、自身の思考や感情に気づいて、認識し、確認していきます。
そうすることで、その都度、「今」の自分に戻ることができ、妄想の濁流の中へと呑み込まれてしまうのを防ぐことができます。
ここが、瞑想において最も重要なところになります。
さて、今日は、どのようなことがありましたか?
楽しかったこと、腹が立ったこと・・・いろいろあったかと思います。
ものごとの感じ方やとらえ方は、その時の気分によって大きく左右されます。
今、あなたが感じていることも、今のあなたの気分に影響を受けたものとなっているはずです。
今の心がそのまま反映されたものであり、今のあなたの心の世界の現れだと言うことができます。
頭の中で考えていることや感じていることがそのまま現れています。
にわかに信じがたいかもしれませんが、瞑想を実践してみると、それらの事実を感じ取ることができるはずです。
ものごとをどのように見るのか、どのように感じるのかということは、人それぞれ、その時々で一定していません。
すなわち、確固たるものであるのではなく、人それぞれ、その時々の妄想であるということです。
あなたは、今の気分に振り回されてはいませんか?
あなたは、あなたの心に振り回されてはいませんか?
怒りの眼で見て、怒りの世界とするのもあなた次第です。
おだやかな眼で見て、おだやかな世界とするのもあなた次第です。
自身の思考や感情に気づき、認識し、確認することで、今の自分に戻ることができ、自分自身を客観的に見ることが可能になります。
さらに、観察し、洞察していくことで、心の冷静さを保って、おだやかな心を保つことができます。
瞑想は、そのための心のトレーニングです。
瞑想は、はっきりとそのことを教えてくれるものです。
(『今見ている世界は、私の心の世界』)
タイで“瞑想”修行
日本で“迷走”修行
タイの森のお寺で3年間出家
“瞑想”から“迷走” そしてまた“瞑想”へ
自己を探究していくお話を
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