新・タイ佛教修学記

サンマー・アラハン(ワット・パクナムの瞑想)

2020年4月8日

 

「ワット・パクナム」・・・正しくは、「ワット・パークナーム・パーシーチャルーン」と言います。

 

日本で「ワット・パクナム」と言えば、このお寺のことを指しますが、バンコク市内には「ワット・パクナム」という同名のお寺があるらしいです。

 

大抵は「ワット・パクナム」と言えば、このお寺へと案内してくれますが、「パーシーチャルーン」まできちんと伝えないと、どこの“ワット・パクナム”なのかがわからないため、別のワット・パクナムに案内されてしまうこともあるぞと、街のタイ人から指摘を受けたことがあります。

 

 

それはさておき、このワット・パクナムは、タイ国内でも指折りの有名な大寺院のひとつです。

 

通称、サンマー・アラハンの瞑想、いわゆる法身瞑想法発祥のお寺として広く知られていて、外国人出家者が多くいるお寺としてもよく知られています。

 

しかし、現在は、瞑想の修行寺というよりも、どちらかと言うと学問寺に近い性格のお寺となっています。

 

タイ全土から仏教の学問を志して多くのサーマネーン(沙弥)たちや比丘たちが寺院内の学校で勉学に励んでいます。

 

また、比丘やサーマネーンたちだけではなく、日々、多くの在家者や参拝の人々で常に賑わっています。

 

特に、近年、境内に大きな仏塔が完成し、大変注目を集めています(私がタイにいた頃は、まだありませんでした)。

 

その美しさは、インターネットでも大きな話題となっていて、たくさんのサイトで紹介されています。

 

ご興味のある方は、是非検索してみてください。

 

 

ワット・パクナムは、日本との交流の歴史が長く、何十年も前から日本人がこのお寺で出家して、比丘として修行に入っているお寺でもあります。

 

その交流は現在も連綿と続いていて、日本との縁がとても深いお寺となっています。

 

おそらく、ワット・パクナムで出家し、修行をされたご経験を持つ日本人も多いのではないでしょうか。

 

さらに、さまざまな日本の宗教団体もワット・パクナムとの交流を持っていて、日本で最もその名前が知られたタイ寺院のひとつとなっています。

 

なお、千葉県にこのワット・パクナムの日本別院があり、日本に滞在しているタイ人たちの心の拠り所となっています。

 

 

さて、ワット・パクナム発祥のタイで「サンマー・アラハン」と通称されているこの瞑想法は、プラ・モンコン・テープムニー師(1884年~1959年/1918年に住職へ就任)によって創始されました。

 

この「サンマー・アラハン」と呼ばれる瞑想法(法身瞑想法とも呼ばれます)は、瞑想する際に呼吸に合わせて「サンマー・アラハン」と唱えることから、サンマー・アラハンと通称されています。

 

本来ならば、ワット・パクナムは、サンマー・アラハンの瞑想で知られたお寺です。

 

プラ・モンコン・テープムニー師がサンマー・アラハンの瞑想を直接指導されていた頃は、おそらく瞑想修行者が集う修行寺だったことと思われますが、現在では、修行寺の性格は薄くなりつつあります。

 

とはいえ、日々、瞑想指導が行われていて、常時、サンマー・アラハンの瞑想を学んで、実践することができます。

 

しかしながら、決して瞑想に最適な環境というわけではなく、瞑想に励む比丘も決して多くはありません。

 

 

「サンマー・アラハン」こと、ワット・パクナムの瞑想法は、タイ国内においてマハーシ式の瞑想法(日本で紹介されている“いわゆる”「ヴィパッサナー瞑想法」)に続いて、よく知られた瞑想法となっています。

 

日本ではあまり知られていませんし、実践者も少ない瞑想法ですが、実はすでに数十年も前に日本へ紹介されている瞑想法です。

 

数十年前は、上座仏教そのものに対してや瞑想自体に関心が薄かったという時代背景もあって、日本で広く知られるまでにはならなかったのでしょう。

 

専門書の中で南伝仏教における瞑想法のひとつとして紹介されているに過ぎません。

 

しかし、数十年前当時としては珍しく、比較的詳しくその瞑想法が紹介されていると思います。

 

おそらくは、マハーシ式の瞑想法が本格的に日本へ紹介される以前は、上座仏教の瞑想法といえばこの瞑想法を指すほどの位置だったのではないかと私は推測しています。

 

 

なお、プラ・モンコン・テープムニー師の弟子によって設立されたワット・プラ・タンマカーイ(1970年設立)の瞑想法も、ワット・パクナムと同じ瞑想法として認識されています。

 

しかし、私は、ワット・プラ・タンマカーイの瞑想法の方がより進歩的であると考えており、同じ系統ではあるけれども、瞑想技術として若干違うと考えています。

 

サンマー・アラハンの瞑想法に関する具体的なことについては、別の記事にて詳しく紹介します。

 

同じく、ワット・ワット・プラ・タンマカーイの瞑想法についても、ここでは省略することにします。

 

 

(『サンマー・アラハン(ワット・パクナムの瞑想)』)

 

 

 

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